宮城県石巻市が震災後復興のシンボルとして特産化を進めているオリーブが収穫を迎え、北上町の「農事組合法人みのり」さんへ収穫体験に行ってきました!
石巻市でのオリーブ栽培は2014年に始まり、津波被害の大きかった北上、河北、雄勝、網地島の4地区で宅地や水田の跡地などを活用し計1600本を栽培しているとのこと。
市では復興のシンボルとして特産化を進めていて、前年は約700キロのオリーブが収穫され、オリーブオイルとして出荷されました。このうちオリーブの木が約900本ある「みのり」さん。収穫日には従業員と家族、産官学民でつくる「石巻市北限オリーブ研究会」のメンバーを含む約20人の皆さんが早朝から作業されてました。
手作業でオリーブを摘んでいくため、ハンドクリームを塗ってる場合などは品質保持のためラテックスグローブをしてオリーブの実に他の油分が混じらないようにます。が、基本的には素手が一番繊細な作業ができるということで素手で収穫していきます!←ゴム手袋だとオリーブの実を傷つけてしまう恐れがあるため実は熟す前の硬く締まった鮮やかな緑色をしていて、最高品質のエキストラバージンオイルにするため、搾油に適したものだけを選別して収穫していきます。
誤って落としてしまった実は搾油加工しないとの事で、収穫スピードを意識しつつ丁寧な手さばきも両立しなければなりません。今年は大きな天候不順もなく生育は順調で、実の数はやや少なめだけど、代わりに実の大きさは昨年より一回り大きく、オリーブの実としては今までで最高の育ち具合とのこと。「適度な間引きをしてきて、ようやくオリーブ畑として完成に近づいたと実感している。実の大きさ、品質ともに自信を持って薦められる」と話す千葉さん。収穫のコツと今年のオリーブの出来を教えてくれる専務理事の千葉昭範さん
最高品質のものだけを選別して搾油するのは約100キロと昨年並み。
収穫した実はすぐに北上地区にある加工施設で搾油をしていきます。
試飲させてもらったオイルは口に含むと、苦みとファーストオイル特有の辛みがじんわり広がり、こっくりとした舌触り。だけど苦み辛味が後に残らずキレがある印象。
香りは爽やかな林・草・竹・笹の様な青々しい香りと、カルダモンのようなスパイシーさを感じます。
そして残る余韻はカドが取れて抹茶のような̚穏やかさ。
震災から11年ー塩害に負けず“みのり”出したオリーブ達が方舟に乗り、
世界へ渡る日もそう遠くないのかもしれない。